日本の文化研究の可能性を探るための合宿を開催

国内外の研究者や経営者など幅広いバックグラウンドの方を糸島にお招きして、日本の文化研究を糸島で行うことについての構想を巡らせる合宿を開催しました。


雲孫財団では、雲孫世代(9世代)にわたる長期持続的な社会を探求する中で重要な要素として文化芸術に着目し、日本の里山里海に根ざした暮らしのあり方や、衣食住にまつわる日本文化の魅力を再発掘する取り組みについて試行錯誤しています。


今回は、コロンビア大学で日本人として初めて理事を務められている花沢菊香さん、同大学で日本文学の研究をされているハルオ・シラネさんのお二人を中心に、糸島および雲孫財団のことを知ってもらい、共同で日本文化の研究活動に取り組むことの可能性を探ることを目的に開催しました。

内容としては、1日目は主に糸島のことを知っていただくツアー、2日目は実際に共同活動の可能性の有無やその具体的な方法についてのディスカッションを行いました。


1日目のツアーでは、糸島を歴史・産業・人の3つの面から紹介しました。

歴史については、伊都国歴史博物館・雷山千如寺・法林寺などを訪れ、それぞれ地元のツアーガイドの方や研究者の方々に説明していただきながら、拝観しました。日本のはじまりの地との説もある糸島ですが、それを裏付けるような地形の特徴や出土品についての興味深い話を伺うことができ、驚きの声も多数聞かれました。

産業については、各食事の際に、糸島の食材をふんだんに使った食事の提供をしている場所や、糸島の産業に深く関わる自然との結びつきを感じられる場所を利用させていただき、糸島の農業や観光業等についての紹介を交えながら過ごしました。

人については、糸島出身で長い間糸島の自然や歴史に親しまれてきた方や、糸島に魅せられ移住してきたのち糸島で地域おこしの活動をされている方など、糸島に包容されながら積極的に活動されている方々との交流の時間を過ごすことができました。ただ観光で訪れるだけでは味わえない糸島の魅力に触れることができました。


2日目のディスカッションでは、日本文化に造詣の深い方や教育関係者などが中心に参加し、日本文化の可能性やその研究・実践の方法、それらを次世代に繋いでいくための教育のあり方などについての話が展開されました。

今後具体的にどのような取り組みを作っていくことができるか、議論を重ねていきたいと思っています。

今回のイベントを経て、過去お越しいただいたことがある方にも今回初めて参加された方にも、糸島の魅力や雲孫財団についてより知っていただけたのではないかと思います。

執筆者自身、移動中の車窓から見た里山里海の風景と、そういった土壌から生まれ現代にまで受け継がれてきた衣食住にまつわる文化、それらを醸成し継承していく人々の存在に触れることができ、日本の文化・伝統の魅力を改めて感じることができました。

これらの魅力を再定義して日本で生活している私たち自身、そして世界中の人々に改めて日本の魅力を知ってもらうことができるように、探求を続けていこうと思います。

今回大変お忙しい中ご参加いただいた皆様、ご対応いただいた糸島の皆様、この度は本当にお世話になりました。ありがとうございました!

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